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評価:
山田 ズーニー
PHP研究所
¥ 693
(2001-11)
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文章を書くのに、すごーく時間がかかってしまう。
書いては消し、消しては書いて、ぐるぐる悩んでは
あまりぱっとしない結果になることは、しょっちゅうだ。
この本を読むまでずっと、それは苦手だってことだと思っていた。
でも、自分の状態を照らし合わせながら読み進めることで、
全部が全部、同じことが原因とは限らなさそうだぞ、と気がついた。
「何か伝えたい」という漠然とした思いはあるけれど、
何を伝えたいのか、ゴールが見えていない場合。
ゴールは決まっているのだけど、何を組み合わせることで
そこに辿り着けるのか、材料がうまく集められない場合。
前者のときには「漠然とした思い」と、
後者のときには「ゴールそのもの」と、
その形のままの状態で向き合うから、問題が大きすぎて
八方塞がりになっていたんだなあ、と思う。
小さな問いを幾つも立てて、それに順に答えていくことで
最終的に、大きな問題を解決する。
そのプロセスの踏み方を知ったことで、下手なままではあるけど、
ちょっとずつ、苦手意識は減ってきた気がする。
「どうせ伝わらない」と諦めるのではなくて、
「ちょっとでいいから伝わってほしい」と願うから。
誠実に、想いを込めて、言葉を紡いでいけたら、と。